もう皆様ご存じの通り、原材料価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻、さらに円安などが原因で、昨年あたりから社会的に物価の高騰が相次いでいます。その影響はもちろんぽとふ館も受けており、令和4年度より給食費が一食20円値上がりしたのはその影響の一つです。光熱水費やガソリン代が上がっているのも大変なのですが、今年に入り、利用者様の内職作業にも影響が出てきました。まずオニオン班で継続して実施してきた㈱山口ナットの機械部品の組み立て作業が、「受注が減っている」いう理由で、2月からしばらく入荷がストップしました。さらに2月半ばには㈱万葉より、「おしぼりの受容が大幅に減っているため、おしぼりの梱包作業の入荷は3月いっぱいで終了したい」という連絡がありました。㈱万葉のおしぼりの梱包作業は、ぽとふ館では初年度より実施していたポテト班の中心的な作業です。この連絡を受け、ぽとふ館ではすぐに対応を検討し、他の内職作業を探し始めました。まずさいたま市就労支援センターに相談し、ぽとふ館でできそうな内職の紹介を依頼しました。その結果、いくつかの業者による「菓子の包み紙の折り込み」「箱折り」「車の芳香剤の袋入れ」などの作業を紹介していただき、業者からも直接お話を伺いました。「菓子の包み紙の折り込み」や「箱折り」は実際利用者様とやってみたのですが、大量生産するのはなかなか難しく、申し訳ないですが断念しました。ささの会従業員やぽとふ館利用者様のご家族にも「内職募集」のお知らせをしましたが、なかなかあった作業が見つからず、苦戦が続きます。そんな中、「はたらく部会」で交流している岩槻区内の他事業所より、万葉と同じようなおしぼり等の梱包作業を配送している業者があるという情報をいただき、さっそく連絡したところ、4月1日より作業をいただけることになりました。紹介してくださった事業所は同じ区内で、これまでも「岩槻区顔の見えるネットワーク会議」や「福祉マルシェ」など様々な機会に交流してきました。今回はぽとふ館の大きなピンチを救っていただく形になり、地域のつながりの大切さを改めて感じさせられるとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。労働は憲法で保障された国民の権利であり、作業は利用者様の活動の中心です。内職ばかりに依存してしまうとこういう時に困るため、これまでリサイクルや農作業、さをり織り、さらにカレー作りなど様々な活動を取り入れてきたつもりだったのですが、やはり多くの利用者様が取り組める、わかりやすい内職作業があると安心感が違うなと改めて感じました。ちなみに山口ナットも3月中旬から復活しています。利用者様の工賃と社会参加のため、改めて作業の大切さを考えさせられた出来事でした。(記:大出)
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