7月16日、埼玉県障害者アートネットワークTAMAP±0(タマッププラマイゼロ)の企画する研修会「障害者アートの可能性、埼玉県の障害者アートの可能性について美術専門家より学ぶ」を、職員9名が聴講しました。この研修は、毎年この時期に川口市の工房集にて行われるもので、プロの美術家である中津川浩章氏の講義を直接伺うものです。しかし今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各事業所においてリモート会議方式で聴講する形となりました。

中津川先生はアートについて「いいものはいい、そこに専門家も素人もない」「でも美術を少しかじると知識が邪魔をして本来の芸術の姿がどこかに行ってしまう」「自分の内面から出てくるものをそのまま素直に表現することはとても難しい」という風に主張されていると私は理解しました。私も少しばかりアート関連の経験してきたのですが、ぽとふ館に勤めてアートの現場を目にした時、なんの抵抗も感じずに夢中で画用紙と向き合う利用者さんもいれば、あまり気乗りしていないような利用者さんも、ありのままのびのび過ごしている、そんな自由な雰囲気にほっこりしています。

作品を選考する際、専門家の視点も大切ですが、そればかりが「いいもの」の基準になってしまう事の怖さを知り、私自身ハッとしました。利用者お一人お一人の個性あってのその作品。その方の背景にあるストーリーを知った上で作品に接すると、同じ作品も違うものに見えてきます。利用者さまのアートに携わる者として、「なぜこの作品を美しいと感じるのか?」、自分の冷静な分析力と感性を深めて行くことも大切な事なのだと勉強させていただきました。(記:川島)

DSCN2776   DSCN2789

DSCN2782   DSCN2777